ソフトウェア工学研究の日々

ソフトウェア工学の学術研究を紹介しています。ソフトウェア開発に関する調査と実験が大好きです。

エンジニア研修によるプログラムの質の向上を計測する試み

 これから行っていく新しい研究テーマとして、プログラミングやソフトウェア工学に関する研修(講義・演習)が、どのぐらい受講者のプログラムの質に貢献するか、という課題に取り組むことになりました。

 

www.naist.jp情報系企業の新人研修は、多様な出身の新卒エンジニアの知識の底上げを図っていますが、画一的な研修を行うと、情報以外の分野出身の人には難しすぎ、情報系で頑張ってきた人には簡単すぎるといったように、誰にとっても退屈なものになってしまう恐れがあります。また、研修を行う側にとっても、研修の効果が客観的にはわからないために、教材や教え方を改善することは困難となっています。

そこで、当研究室では、まず研修という活動の効果がどのように計測可能であるかという点から始めて、現在行っている研修がどのような人に・どれぐらいの効果を持つのかを調査する方法を確立し、長期的には、ソフトウェア開発能力の測定方法や個人の現在の能力に合わせた研修の提供などの課題に取り組んでいきたいと考えています。

上記プレスリリースは、ソフトウェア工学研究室としては珍しく「これから行う」テーマの発表です。大学院でソフトウェア工学の研究に携わりたいと考えていて、プログラミング技術・ソフトウェア開発能力を計測するという目標や、データ分析という手段に興味のある方がいらっしゃれば、取り組む研究課題の候補として検討していただければ幸いです。

なお、このような研究発表としては資料が世の中に出ていないような研究テーマについて詳しく知りたい場合は、研究室訪問という形でお越しいただくのが早道です。研究室を訪問可能な日の候補をいくつか「いつでも見学会」のサイトからご連絡ください。この申し込みはちょっと物々しい印象があるかもしれませんが、これが研究室訪問を(必要であれば複数研究室同時に)申し込むためのメール窓口になっています。ソフトウェア工学研究室の訪問を希望すると明記されていれば当研究室スタッフから返信しますので、単に送ったメールが見逃されにくいメールアドレスであるという程度に考えて、気軽にお送りください。