ソフトウェア工学研究の日々

ソフトウェア工学の学術研究を紹介しています。ソフトウェア開発に関する調査と実験が大好きです。

SES 2019 にてポスター・インタラクティブ賞を受賞しました

前回の記事から時間があいてしまいましたが、前回の投稿 エンジニア研修によるプログラムの質の向上を計測する試み - ソフトウェア工学研究の日々 の最初の成果を、情報処理学会ソフトウェア工学研究会のフラグシップイベントであるソフトウェアエンジニアリングシンポジウムにて「新人研修がソースコード品質に与える影響の調査」と題してポスター発表を行いました。

この研究は、ある企業において1か月半にわたって実施された新人研修の前後で、受講者のプログラムの品質を比較したものです。Scitools Understand という商用のメトリクス計測ソフトウェアを使用してプログラムの複雑度などを計測し、何が違うか、簡単な分析を2ページで報告しました。一言でいうと「研修をすれば、プログラムの書きぶりはちゃんと変わる」というものです。論文はすでに公開されており、情報学広場:情報処理学会電子図書館 に文献情報の詳細を公開しています。著者最終版 PDF の ダウンロードはこちら 。なお、1つの会社における事例の報告であり、今後もまだデータ収集、分析が必要であることにはご注意ください。

共同研究がスタートしてから短い期間でしたが、研究室に4月に入ったばかりの M1 である森田君が、メトリクス計測ソフトウェアと統計分析用の R を勉強しながらデータ分析を行い、2ページとはいえ初めての対外発表論文を筆頭著者として執筆、発表を行いました。

8月30日のポスター発表セッションでは、教育系の研究をされている先生方、プログラミング教育の授業を担当されている先生方を中心に、貴重なご意見をいただくことができました。議論にお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。

また、参加者の投票によるポスター・インタラクティブ賞も受賞することができました!これを励みに、今後も研究を進めていきます。

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ポスター賞表彰の様子

(編集履歴:2019/9/3 写真を追加しました)